平井 新一

2019年9月30日2 分

ビジネスホテルの「無料の水」と、商売繁盛と。

 商談やセミナーで全国各地を旅する私は、年間80泊ほどビジネスホテルにお世話になっています。私と同じような出張族が集まると、「どこのホテルが快適だったか?」という話題で盛り上がります。

 「朝ごはんが美味しい」「ベッドの硬さがちょうどいい」「部屋ごとに空調がある」といったネタは、当然過ぎてあまり話題にのぼりません。どちらかと言えば、「パワーのあるヘアドライヤー」「備え付けの携帯充電器」「衣類用の消臭スプレーやハンディアイロン」などなど、細かな気遣いのようなものを語るケースが多いような気がします。風圧が低いドライヤー…あれ、イライラしますよね(笑)。

 チェックインしてからのルーティンワークがスムーズで、スピーディに行える気遣いがあると、くつろげる時間を増やすことができる。“できるビジネスマン”は、効率を重視するでしょうから、“効率”はビジネスホテルにとって大きな価値になりますし、こういう細かな気遣いほど、口コミでジワジワ広がっていったりするのではないでしょうか。

 そうそう、部屋に無料の水のペットボトルが置いてあるのもありがたいですよね。私がビジネスホテル選びの中で重視しているサービスです。コンビニに立ち寄る手間も、立ち寄るのを忘れたことを部屋に入って気づいたときの苛立ちもなくなります。

 きっと私と同じようなことを感じているビジネスマンも多いはず。見方を変えれば、部屋に水がある→部屋の外に出る回数が減る→足音で起こされたりエレベーターの渋滞などが減る→静かで快適なホテルになる……なんて効果もあったりするかもしれません。たかが「無料の水」に、商売繁盛の隠し味がたっぷり詰まっていると思うと面白いですよね。

 私たちの業界とはまったく違う世界のお話を書きましたが、カーアフターの現場でもお客様の潜在的な要望や課題を見つけ出し、それに応える「無料の水」のようなメニューやサービスを提供していくことで、いろいろな広がりが生まれると思います。

 「車屋だから」という固定概念に縛られず、さまざまな業界の商談繁盛のカラクリを学び、広い視野と柔軟な発想で、お客様の心をつかんでいけたら素敵ですよね。

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