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執筆者の写真平井 新一

人が集まる“カーサービスサロン”、オートリンクの事業設計とは。【前編】


 福井県敦賀市にカービジネスの未来をいち早く体現しているお店があるのをご存じでしょうか。そのお店の名前はオートリンク。全ての来店客に無料で質の高い手洗い洗車を提供する「まごころ洗車」というサービスをきっかけに、急成長を遂げたその事業設計とお客様とのコミュニケーションのつくり方は、業界誌でも取り上げられ、注目を集めています。

 実は私たちHonjyoは、このオートリンクとは深い関わりがあります。メーカーとしての製品供給はもちろん、会社のロゴデザインや共同セミナー開催など、さまざまなコラボレーションを重ねてきました。今回は、前編・後編に分けて、オートリンクのカービジネスの成功事例をご紹介していきたいと思います。

 2012年、稲葉紘一社長の父親が経営していた赤字の整備工場を引き継ぐかたちでスタートしたオートリンク。しかし、稲葉社長は当時まだ25歳で自動車のことは全くの素人。7人いた従業員は全員が辞めてしまい、状況はまさにジリ貧でした。それでも稲葉社長は自分の視点を持って事業再建に乗り出します。

 「素人目線、つまりはお客様目線に立って自社工場を眺めてみると『なぜ?』と疑問を感じる点が多かったんです。『なぜ、事務所にはお客様が座れる椅子が少ないのだろう?』とか、『なぜ、車検のときにしか洗車してあげないのだろう?』とか……まずは環境を変えることが急務だと感じました」と、稲葉社長。こうして、「お客様の満足や喜び」を経営の柱にして再建していく決意を固め、動き出します。

 稲葉社長はまず、事務所機能は2階の倉庫に移し、事務所だった1階にソファやテーブル、カウンターなどを置いて、カフェのような居心地のいい空間をつくりました。さらに、空間だけ変えても意味はないと考え、女性事務員の意見を積極的に取り入れ、アットホームな雰囲気をつくります。

「今時、どこの整備工場も無料ドリンクくらいは用意していますけど、オートリンクは一味違う。メニューはカフェ並み。お客様からオーダーをいただいてからお出しします。それに、ドリンクを運びながら、お客様と世間話しちゃうんです。スタッフたちには、デスクワークや作業だけではなく、お客様と会話することも大事な仕事だと伝えています」と、稲葉社長。つまり、オートリンクでは、「整備工場のスタッフ」を、お客様の来店履歴や趣味嗜好を把握しながら適切な提案をしていく「美容室の担当スタイリスト」のような存在へと変えて、お客様とのコミュニケーションづくりを進めているのです。


株式会社 オートリンク

代表取締役 稲葉 紘一

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