2019.03.14
HONJYO CONNECT MEETING 2019 @TOKYO
トークセッション
「繁盛店が実践する洗車ビジネス戦略」
リアルタイム議事録
はじめに
先日は作洗会議へのご参加、誠にありがとうございました。イベントの中で行われたトークセッション「繁盛店が実践する洗車ビジネス戦略」の際、バックのスクリーンで展開された「リアルタイム議事録」を再編集したものをお届けいたします。当日の熱気とともに、あの場で生まれた気づき、学びなどを思い出し、皆様のビジネスに活かすきっかけにしていただければ幸いです。
書記
株式会社 ROCKAKU
森田 哲生 氏
撮影
トリビト
ワカマツ タケヒロ 氏
株式会社本荘興産
平井 新一
文中:平井
株式会社オートリンク
稲葉 紘一 氏
文中:稲葉
株式会社フルタ
古田 昌也 氏
文中:古田
ジャパン・カーポリッシング株式会社
品川 幸太郎 氏
文中:品川
新しい人材との出会い方もSNSで……
平井:オートリンクと言えば、カウンターで接客する女性スタッフ・武田さんの姿が印象的ですが、稲葉さんはあんな素敵な人材をどうやって集めているんですか?
稲葉:募集ではなくSNSでつぶやく感じですね。それで自然と集まるんです。
平井:みなさんはどうですか?
古田:ウチはハローワークが多いですかね。
品川:ウチは一般的な募集媒体を使っています。
稲葉:SNSで募集すると、4年前くらいの記事から読んで来てくれたりするんですよ。だから、面接のときに会社や仕事の説明する必要がないくらいで。
オートリンクはキャバクラ化している!?
稲葉:オートリンクには若い女性スタッフが2人いるんですけど、その2人を目当てにしてお店をキャバクラみたいに使うお客さんがいるんですよ。(お酒は持ってきませんけど)お茶菓子持参でやってくるんです。何時間いるんだよ!?というくらい(笑)。
でも、無料洗車もあるので、月に2〜3回くらい来店してくれていますから、気づくと車販から保険から、いろいろなお付き合いが広がってくる。
平井:年間だと40回!これはちょっとすごいですよね。
古田:稲葉社長の発想はすごいですよね。
平井:でも、古田社長のところでも、面白い出会いがあったとか。
知ってもらうこと、伝えていくことについて
古田:地元のラジオに出演させてもらっているんですけど、放送後、アイロンパーマをキメた若者が急にお店にやってきて、「ラジオ聴きました、ここで働きたいです!」と言われたんですよね。だから、「その髪型(アイパー)のまま、働いてください!!」と応えて、今まさに働いてくれています。
平井:(キャバクラにしても、ラジオにしても)知られるってことは大きいし、伝え方も重要ですよね。
品川:伝え方という意味では、相手のことをよく考えることも重要ですね。ウチの場合、百貨店の地下ですから、平日は買い物やネイルサロンに通うマダムが多い。だから、専門的な説明はしません。極力わかりやすく、「クルマがキレイになる」というメリットを、相手に伝わる言い方でお話しするようにしています。
古田:洗車やコーティングもそうですけど、一般のお客さんに板金塗装について詳しくお話しても理解してもらえないんですよね。だから、下地処理などを絡めてネイルに例えて話すことがありますね。
財布を握っているのはやはり女性……!
平井:オートリンクでは無料洗車でしっかりと集客できているわけですが、ボディコーティングの方はどうですか?
稲葉:うーん。ウチの客層は35歳以下がメインなんですよね……でも、コーティングは単価が大きい。それがいい物でも、「おこづかい制」に阻まれて一括では売りにくいというのが実情でしょうか。(iPhoneのように)月割りで売るようなやり方ならアリかも知れない……と考えています。
品川:それは新宿のマダムも同じですね。なかなかポンとは買ってくれない。
平井:なるほど。その点で行くと、古田さんは「ポリマー無料」を謳っていたりしますよね。
古田:そうですね。ウチの場合は、「フルタはポリマー無料でつけてくれるよ」と、口コミで拡げていく戦略をとっています。僕は「売ったクルマは必ず事故を起こす」と考えているので、無料で集客して、ポリマー代は事故が起きたときに保険屋さんに払ってもらおう……くらいで考えています。
品川:お客様を見ていると、お財布を握っているのは奥様。コーティングなどを購入する場合、だいたい旦那様が奥様に許可を取る光景を見かけますよね。
平井:ウチの家庭もそうですね(笑)
質疑応答のコーナー
宇都宮で出張洗車をしている方:洗車からビジネスへのつなげ方はどうあるべきでしょうか? どう規模を拡大すべきでしょうか?
稲葉:オートリンクはフロントから洗車場が丸見えなんですよ。女子スタッフもガンガン洗車に参加します。自分のクルマを洗ってくれているところが見える。しかも女子が!
……ということで、購買意欲がむちゃくちゃ上がるんです。狡いやりかたかも知れませんが。「無料洗車」にやってきてサービスを体験した時点で心が開いてる状態なんです。ロードサービスも、その他のサービスも、軸に洗車が走っている。
古田:いや、実際に「洗車ってそんなに儲かるの?」って思ってる人多いでしょ? 私もそうでした。稲葉さんに出会うまでは……で、「ものは試しだ」と、モップを買って試してみたのがスタートです。よく、スタッフから「洗車なんて」と言われたりもしました。でも、いきなり「ドン!」と上がるタイミングがある。その勢いで、新工場つくってしまいましたよ。洗車によって一貫性のあるサービスが完成したんですよね。
まとめ
平井:そもそもHonjyoの創業者である私の父が、洗車道具をつくりはじめたきっかけって、三ちゃん経営(父ちゃん、母ちゃん、兄ちゃんによる家族経営)のお店の、“母ちゃん”を助けてあげたい……という想いだったんですよ。整備は父ちゃん、兄ちゃんがやる。だから洗車は母ちゃんが……というお店が多かった。それはそれで大変なんですけど、女性ならではの気遣いがあってよさもあった。それをどうやって負担を軽くしながら、いいサービスにできるか……と言うこところから洗車モップが生まれました。でも、時は経って、世代交代の時期になり、女性が洗うからこその細やかさみたいなものが現場から失われつつある。今日お話ししたことって、あの頃の「思いやり」にも通じるんですよね。いろいろな伝え方や売り方はあると思いますが、「お客様を思いやる」が共通項かなと感じました。